伊藤 隆
坂井 悦郎
微粒子の集合体である粉体は物質の混合や複合化,成形などに適した材料形態であり,セラミックス製造をはじめとして多くの産業分野で利用されています.最近では,ナノ粒子を含む粉体を用いた材料開発も活発に行われています.こうした中,原料となる粉体の物性や表面性状等を正確にとらえることの重要性が増しています.今回の小特集では,あらためて粉体のキャラクタリゼーションに焦点をあて,粉体を測定・評価する上で必要な知識について専門の先生方に解説いただきます. (特集担当委員:阿部浩也)
遠藤 茂寿
市販されている主な粒子径の測定方法を紹介する.また,測定方法に関係して,粒子径およびその分布に関する定義や考え方を述べる.さらに,近年,開発が進むナノ材料を対象とした測定例を示す.
内藤 牧男・阿部 浩也・近藤 光
本稿では,粉体プロセスを最適に制御する上で重要な粉体流動性の評価方法を,粒子付着力,粉体層の力学的特性,粉体の充填性などの二次特性の三つに整理して解説する.さらに,粉体流動性の制御の考え方についても紹介する.
打越 哲郎
液中粒子の分散・凝集性,相互作用,表面改質を評価する上で指標となるゼータ電位について,ゼータ電位の定義や測定上の注意点などを実際の測定例を交えながら解説する.
佐藤 和好
ガス吸着法を用いた粉体の比表面積や細孔分布測定における基本的な原理を概説するとともに,実際にこれらを測定する際の試料調整,測定条件,データ解析について実例を挙げながら解説する.
田中 秀和
無機酸化物の反応性,吸着性,イオン交換性,親・疎水性などの物性は表面構造に寄与している.本稿では,無機酸化物粒子の表面水酸基の定性・定量化方法の一つであるin situ FTIR 測定および幾つかの測定例を紹介する.
井上 萬二
堀越 智
齋藤 和也