徳植 桂治
近い将来における社会システムの更なる充実と発展を目指して,我々の身近な生活にも多数のロボットが導入されています.古くは全自動洗濯機なども範疇に入りますが,最近ではロボット掃除機なども,電子玩具の域を既に超えて,家電製品の仲間入りを果たしているように見受けられます.超高齢化社会を迎えるに当たり,介護ロボットなどの需要は確実に高まるとされているし,自動ブレーキなど既存の工業製品を一部ロボット化する発想も広がりそうな勢いです.近年注目を浴びる3Dプリンタなどや,多軸の産業ロボットなども含めれば,市場規模は更なる広がりを見せます.我が国の産業力を投入するに値する矛先として,ロボット産業がその一つに挙げられ,関係省庁では部署を新設する動きなども見られます.今後のロボット産業を支えると考えられるのは,当然ながら機械制御技術ですが,外部の状況を電子的に把握するセンサーやカメラなどには,セラミックス技術が当然ながら欠かせません.近い将来の人間社会を支える一つの柱になりうる,ロボット産業に対して,どのようなセラミックス技術が求められ,また現在どのような対応がなされているか,産学あわせて最新の取り組みなどを紹介します. (特集担当委員:桐原聡秀)
法貴 哲夫
3次元光造形法では光硬化性樹脂を用いて高精細に造形されるが,造形物が樹脂に限定されている.この樹脂にセラミックス粉体を混練し,スラリー状で塗布・露光による光造形を行い,セラミックス含有の高精細造形品を得る事例を紹介.これを脱脂・焼結することによりセラミックス焼結体を得ることができる
藤原 正成
自動化されているセメント産業をロボットとみなして,石灰石鉱山からセメント製造を経て,コンクリートとして届くまでの,自動化や制御を紹介している.
桐原 聡秀
ナノ微粒子ペーストを用いた,新しい溶射のプロセスについて紹介するとともに,ロボットシステムを用いた,完全自動プロセスの現状と将来的な応用展開について解説する.
田辺 稔貴・高橋 直樹・信川 健・千葉 明哉
世界ほぼ全域で排気規制が強化され,三元触媒はより高い浄化性能と耐久性を,より少ない貴金属使用量で達成が求められている。本課題の研究開発を,CeO2-ZrO2系材料を主に紹介する.
仲川 彰一・重久 高志
独自のセル構造である円筒平板型セルと片持ち支持型スタック構造を開発し熱自立と耐久性を実現し,また,安定した品質で生産ができる量産技術を確立し工業化に至った.
高橋 雅也
応用に近い基礎研究と企業支援のための受託研究のできる環境にあり,その中での長年にわたるさまざまな研究成果について紹介する.
袋布 昌幹
Alfian Noviyanto