今月のオープンアクセス記事
熊田 伸弘
内部に無数の気孔があるセラミックス多孔体は,気孔のサイズ,形状,気孔の体積率を変化させることで断熱,吸着,分離などの特性を示すことが知られています.近年では,これらの性質の高性能化に加えて,セラミックス多孔体の新たな特性に注目されています.本特集は最近のセラミックス多孔体の研究開発動向について,これまでのセラミックス多孔体の材料開発に加えてセラミックス多孔体の開発には欠かせない多孔体評価技術について網羅的に紹介する企画になります.本特集は前編と後編に分け5月号では,前編としてセラミックス多孔体の材料開発について紹介し,6月号では,後編としてセラミックス多孔体の評価技術について紹介します. (特集担当委員:嶋村彰紘・町田慎悟・米津麻紀・和田憲幸)
セラミックス多孔体の中でも,ガラス多孔体は組成の選択の自由度が高く,光の利用を可能とし,細孔径を幅広く制御できる.本稿ではガラス多孔体ついて概説した後,その最近の展開を紹介する.
相分離を伴うゾル-ゲル法により作製可能な種々のリン酸塩セラミックス多孔質モノリスについて概説する.金属リン酸塩ゲルの焼成による作製法と金属酸化物多孔体のリン酸塩化の2種類の方法で得られる多孔体について紹介する.
機能性ナノ多孔質材料の創出に向けた,シリカナノ粒子集積体を鋳型とした酸化物ナノ多孔体の細孔構造・細孔壁の制御について筆者らの最近の研究を中心に紹介する.
14代 今泉 今右衛門
山口 哲生
加藤 毅之
飯島 志行・多々見純一