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菅野 了次
2023年3月号に続いて,セラミックス産業を支える「企業」に焦点を当てた特集の第2弾です.この特集企画の主たる狙いは,企業が開発・保有しているセラミックスに関わる「科学・技術」を具体的な製品を例示しながらご説明いただくことで,これらの企業がセラミックス産業,さらにはセラミックスを用いた製品を使用している他産業や一般消費者の生活を支えていることを会員の方々に広く紹介することにあります.それらに加えて,持続可能社会の実現に向けて,企業におけるSDGsやカーボンニュートラルに係わる取り組みや今後の方向性,さらには大学等でセラミックスに関わる学生に対して企業の研究開発の魅力を伝えるメッセージをご執筆いただいた記事もあります.読者の皆様にセラミックス産業を支えている企業の素敵な魅力が伝われば幸いです. (特集担当委員:中村真紀・佐藤泰史・和田琢真・徳永竜二)
杉山 寛
本稿では,ガラス溶融用の炉材として使用されている電鋳耐火物の中でジルコン結晶生成を抑制する高ジルコニア質電鋳耐火物,そして更なる高電気抵抗を有する高ジルコニア質電鋳耐火物の製品開発について紹介する.
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飯田 正和
耐火物は高温産業に使用されるセラミックスで,不均質で複雑な組織の制御により各種特性が引き出される.耐火物技術は現在も進化し続けており,産業界のカーボンニュートラル等に貢献している.
久保寺紀之
村田製作所は1944年の創業以来,セラミックス技術を用いた電子部品を通してエレクトロニクス機器の進化を支えてきた.本稿ではその技術の一部を紹介する.
高松 敦・小原 芳彦・都築 達也
セントラル硝子(株)は創立から約85年の歴史を歩んできた素材メーカーである.ガラス関連事業のみならずファインケミカル分野へと事業を拡大しているが,本稿では開発してきたガラス関連製品を,またSDGsや環境問題への取り組みを概説する.
関根 圭人・大野 誠・竹内 紫保・泉水 良之・吉見 靖隆
美濃窯業株式会社はニーズに応じた高品質の耐火物,サービスを提供し事業展開を図っている.今回はセメントロータリーキルン用耐火物,乾式吹き付けキャスタブル,炭化ホウ素セラミックスについて紹介する.
河津 光宏
ビルや家,自動車,ディスプレイに使用される板ガラスのコーティングによる機能化についてゾルゲル法が活用されている.その特徴と当社で実用化事例について紹介する.
村田 征隆・深沢 祐司
クアーズテックは,1910年にコロラド州ゴールデンに設立して以降,110年以上にわたりセラミックスの歴史を育んできた.本稿では,弊社の歴史,技術,およびSDGsに対する取り組みを紹介した後,学生の方に向けたメッセージを記載した.
東 佳子・臼井 良輔
パナソニック インダストリー(株)は,部品事業を領域とし,多くのセラミックス関連製品を開発・製造・販売している.本稿では,当社が世界で初めて実用化した酸化亜鉛バリスタの発明および技術開発,商品展開の歴史と共に,近年の開発事例を紹介する.
秋友 勝
TOMATEC株式会社のガラス製造技術は,農業分野でも生かされている.農作物に必須のマンガン,ホウ素などの微量元素をガラス化し,土壌中や水中で徐放性を持たせたガラス質の微量要素肥料を紹介する.
脇田 健二・牧野 浩
伊藤忠セラテック株式会社は,耐火物原料や鋳造用人工鋳物砂を製造するセラミックスメーカである.鉄鋼用耐火物原料・鋳造用人工鋳物砂の高度化を通して,「地球と人にやさしい100年企業への挑戦!」を続けている.
末益 猛・泉 達郎・松島 正明・後藤 卓・伊藤 貴康
本稿では,セメントの品質を維持しながら,廃棄物・副産物の有効利用と地球温暖化対策を両立させるために取り組んでいるUBE三菱セメントでの研究・技術開発の概要を紹介する.
西 智広・光岡 健・勝 祐介・沖村 康之
日本特殊陶業株式会社は,創業以来培ってきたセラミックス技術を活かし,新規セラミックス材料開発に取り組んでいる.本稿では,異種セラミックス界面の制御に着目した革新的な高強度複合セラミックス材料の開発事例を解説する.
辻 良太
創業以来“循環型社会の実現に貢献する”という精神を重視しながらガラスびん製造を事業の柱としてきた日本山村硝子株式会社のこれまでの技術開発の実績と,これから持続可能な社会への挑戦となる技術開発を紹介する.
楠瀬 尚史
前田枝里子
オープンアクセス
幾原 雄一
内沢 礼子