今月のオープンアクセス記事
フリーアクセス
今中 信人
非常に低密度で軽く,かつ抜群の断熱性を誇る.しかしながら,優れた性能の反面,非常に脆くて製造コストも大きいため,これまで事業化は進んでいなかった素材である.最近,これらの課題の克服,応用展開への取り組み,実用化を目指す動きが広がっている.そこで,本特集では,エアロゲル素材とその製品化(高性能断熱や建材),そして関連する研究などの最近の動向を取り上げた.この素材の社会への活用へ向けた展望と,その課題を考える参考になればと思います. (特集担当委員:古賀英一・米津麻紀・柳田さやか・立木翔治・横山智康)
田端 誠
可視光に対して透明で気体と液体の中間の屈折率をもつシリカエアロゲルの素粒子原子核実験への応用を紹介する.チェレンコフ発光現象を利用すると高エネルギー荷電粒子の種類を識別でき,素粒子反応の測定に役立つ.
上岡 良太・川瀬 昇・中西 和樹・金森 主祥
本稿では,著者らが精力的に取り組んでいる透明なシリコーン系エアロゲルにおける機械的柔軟性の改善とその工業化に向けた取り組みについて,最新の成果を交えて紹介する.
日比野委茂・金原 輝佳・伊東 邦夫・三隅 史雄
高断熱性材料である「シリカエアロゲル」を高充填した水系塗料化に成功し,薄膜高断熱材を実現した.この断熱材は空気断熱による最高クラスの断熱性能を持ち,厚み1mm以下でも高い断熱性能を発揮する.今後,更に適用領域を広げていく考えである.
堀河 俊英
炭素材料は様々な優れた特徴により常に高性能材料の重要な一部として幅広い分野で利用されている.本稿では,多孔質炭素材料として注目されているカーボンエアロゲルの特徴を概説し,それらを用いた研究応用例を紹介する.
井上 祐樹・山本 将司・内田 圭耶・清水 崇博・丸山 孝一・正木 京一・東 克紀
近年の住宅・オフィスでは,高い断熱性能を達成するため金属素材を有する断熱構造が用いられるが,屋外基地局と屋内移動端末との間の無線通信への影響が懸念される.金属素材の断熱材やLow-E複層ガラスの一部に対し,空気に近い誘電率を有するエアロゲル等の高断熱の電波透過素材を電波透過領域として住宅やオフィスの任意の場所に形成し,建物内の電波環境改善する手法についての基礎検討を行った結果を報告する.
室山 広樹・石田 晴起・松井 敏明
高表面積を有するペロブスカイト型酸化物担持Ni触媒のエアロゲルを開発した.本稿では,エアロゲル触媒の合成方法や基本物性,アンモニア分解反応への応用について紹介する.
下山 裕介・片岡 大志
カーボンブラックエアロゲルを多孔質構造と光熱変換機能を活用した空気中CO2直接回収技術について,エアロゲルの構造・組成とCO2の吸着・脱着挙動との関連性について紹介する.
上野 智永
空気密度に迫る超軽量エアロゲルの電磁波遮蔽・吸収特性,吸音特性,空中浮遊特性を中心に,宇宙,空への展開について紹介する.
オープンアクセス
屋敷 和秀・井原 健史
建物において,外皮における断熱と採光は非常に重要である.そこで,優れた断熱性と透光性を有するエアロゲルに着目し,断熱と採光を両立できる半透明の新規的な建材として,エアロゲルガラスパネルを開発した.
大宅 淳一・新 大軌
戸田 健司
堀毛 悟史
井野川人姿
前浪 洋輝