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松田 厚範
最近の光および色に関わるセラミックスの相互作用に基づく,新たな機能性材料の合成・評価・物性・応用に関するフォトセラミックスを特集する.本特集では,秋季シンポジウム,「フォトセラミックス~光と色に関わるセラミックスの合成・機能・応用~」のセッションにおいて年長から若手研究者まで幅広い層によって講演された内容を中心に,蛍光材料,光センサ材料,非線形光学材料,波長変換材料,光触媒,色材に関連する研究を紹介する.前編となる12月号では光触媒および顔料に関する研究を取り上げる. (特集担当委員:和田憲幸・佐藤泰史・前浪洋輝・山口和輝)

戸田 健司
光と色に関わる機能を発現するフォトセラミックスは,顔料から最新の蛍光体に至るまで幅広い領域で応用されている.発光や着色メカニズムの理論的な理解に加えて,市場動向も重視しながら,最近のフォトセラミックスの開発状況を概説する.


伊田進太郎
光触媒の研究に関して,無機ナノシートを基盤とした光触媒設計が新たな展開を見せている.本稿では,剥離剤を必要としないナノシート合成や酸窒化物を取り上げ,その合成と光触媒への応用展開について紹介する


小林 雄一・川野 順一
ヒートアイランド対策として赤外線を選択的に反射する暗色系顔料の開発が急務とされている.ここでは瓦用の釉薬に使用可能な黒色顔料(Cr,Fe)2O3,および塗料に使用可能な黒色酸化銅CuOの開発とその応用について紹介する.


山本 帶智・滝本 理人
無機材料による近赤外光の遮蔽技術として,金属酸化物等による近赤外光の吸収や反射特性を利用した設計事例を,メカニズム毎に説明する.


岡 亮平・早川 知克
近年,近赤外線反射型顔料の要求が高まっており,特に黒色顔料の開発が望まれている.本稿では優れた性能を有するCa2(Mn,Ti)O4黒色顔料の精密構造解析ならびに第一原理計算による電子状態解析により得られた研究成果を紹介する.


山口 和輝・増井 敏行
無機顔料は着色用材として広く利用されているが,既存の無機顔料には強い毒性を示す金属を含んでいるものも多く,その使用が制限されてきている.本稿では,ここ数年の間に開発した人体や環境に優しい着色無機顔料ならびに黒色遮熱無機顔料について紹介する.

新村 葉・田村 真治
結晶の局所構造は発色に影響を与える.本稿では,筆者らが開発してきた構造中のCuO4ユニットの歪みと発色の関係に着眼した青色顔料を照会する.


片桐 清文・山中 陵弘・樽谷 直紀・竹岡 敬和
粒子集積型構造発色性材料は,環境低負荷な新色材として期待できる.本稿では発色を鮮やかにするために添加する黒色物質を鍵として.クロミック材料や遮熱顔料などとしての機能向上に関する筆者らの最近の取り組みを紹介する.


安田 佳祐
無機顔料は,塗料やセラミックスなどの着色剤として利用されているが,有機顔料に比べて彩度や着色力が劣ることから使用範囲が制限されている.本稿では,市販の無機顔料を凌ぐ高彩度を有するビスマス系赤色無機顔料およびMn3+を発色源とした青色無機顔料に関する研究を紹介する.


賈 朋飛・大野 誠・吉川 尚吾・吉見 靖隆


山室 佐益


大塩啓一郎


野崎 拓実












