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和田 智志
サステナブルな社会の実現に向けて,材料分野には,優れた機能や物性の創出に加え,資源調達,構造設計,創製プロセス,利用,回収・循環までを見据えた統合的な設計が求められています.近年のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)は,材料研究にも社会実装まで視野に入れた設計思想を要請しています.材料の合成には,構造・組織・形態を設計するマテリアルデザインが不可欠です.しかし,それを実現・具現化するプロセッシングデザインもまた,マテリアルデザインと表裏一体の重要な要素です. 本特集では,MaterialFabrication Design(MFD)に焦点を当て,融合領域にわたる原理・現象・最新成果を通して,持続可能な材料創製の新たな方向性を提示します.(特集担当委員:布谷直義・赤松寛文・町田慎悟・谷口貴章編集協力:マテリアル・ファブリケーション& プロダクション・デザイン研究会)
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林 大和
サステナビリティ概念の歴史的展開を踏まえ,材料利用・構造設計・創製プロセスの三位構造として再整理する.これらを統合するMaterial Fabrication Design(MFD)を提唱し,SX時代における持続可能な材料創製の設計思想を論じる.

久保 正樹・斎藤 高雅
セラミックスのシート成形プロセスを対象として,溶媒中にナノ粒子,分散剤,バインダーを加えた系について,溶媒蒸発に伴う粒子の構造形成に関する数値シミュレーションを行い,粒子充填構造のデザイン手法を検討した.

寺坂 宗太・木村 禎一
工具等に用いられる金属-セラミックス複合材料において,微構造制御技術の高度化が求められている.本稿では,同材料の焼結過程における微構造形成と部材変形のシミュレーション技術について紹介する.

小島 隆・中山 麗・山口 祐貴
サステナブルな社会の実現に資する化学的プロセスとして,アモルファス前駆体の高い反応性を活用した酸化物粒子の低温結晶化および微構造制御,ならびに化学反応を利用したバルク体の低温緻密化手法について概説する.

山中 俊輝・滝澤 博胤・林 大和
廃棄物削減の観点から設計した金属の湿食を起点とするセラミックスナノ粒子のサステナブルソノプロセスについて紹介する.

松本 祐司・神永 健一
本稿では,"傾斜組成薄膜材料とは何か"についてその歴史を簡単に振り返りながら,セラミックス材料,特に膜厚がナノレベルの傾斜組成薄膜におけるそのためのプロセス開発と最近の実施例を紹介しつつ,ナノ傾斜組成材料の先をいく新しい材料開発コンセプトの可能性についても議論する.

蟹江 澄志・西 康孝・鈴木 涼子・奥井公太郎・中積 誠
ナノ粒子ミストデポジション法は,機能性ナノ粒子を含む親水性分散液に超音波を照射することによりミスト化し,得られたミストを基板上へ噴霧する薄膜作成法である.本手法によれば,常温・常圧のサステナブルな条件で機能性薄膜を製造することが可能である.本稿では,その例として,透明導電性薄膜の製造例について紹介する.

近藤 吉史・後藤 知代・関野 徹
本稿では,サステナブルな社会実現を目指したナノ構造チタン酸塩の多様な組成および結晶構造を生かした光触媒や吸着材の研究例と,最近のアップサイクルの取り組みについて概説する.

加藤 英樹・吉野 隼矢・小林 亮・垣花 眞人
光触媒の特性は構成元素の均一性,モルフォロジー,構成元素に影響を受けため,高機能化や光触媒開拓にはプロセスデザインや材料デザインが重要である.本稿ではSrTiO3:Rh,BiVO4の高活性化ならびにCu+含有酸化物光触媒開発について紹介する.

大川 采久・長谷川拓哉・殷 澍
室温動作と特異な応答を示すMXeneガスセンサの機能や寿命は表面状態に依存する.本稿では前駆体から保存までを一貫制御するプロセッシングデザインの視点から,反応場設計や表面制御の知見を整理し紹介する.

辛 韵子・徐 玉萍・白井 孝
非平衡メカノケミカル反応場に基づく新規Si量子ドット合成手法を開発し,エネルギー分布設計によるナノ構造および発光特性の精密制御を実現するとともに,RGB発光へ展開可能な低環境負荷型材料創製プロセスを紹介する.

柳田 健之・加藤 匠・中内 大介・河口 範明
放射線計測用のアモルファスから結晶質の蛍光体材料に関し,その開発法を概説した.

菅 恵嗣
磁性や光熱変換特性を兼ね備えた無機微粒子が開発されており,それらを医療・バイオへ応用するためには表面の機能化が必要不可欠である.本稿では脂質分子の自己集合に着目し,無機粒子に機能を付与するための材料プロセス戦略について概説する.

越水 正典
高速応答性や大規模化の容易さから,有機シンチレータは幅広く用いられている.一方で,シンチレーション収率やX線・ガンマ線の検出効率に課題を抱える.これらの課題を解決する一つの手法として,有機無機ハイブリッド化という手法がある.本稿では,このハイブリッド化におけるマテリアルデザインを概説する.

松本 尚之
CNT複合材料では材料設計とプロセス設計が極めて重要である.本稿では,CNT/AlN複合フィラーを例に,高熱伝導複合材料の設計指針を提示し,低充填で高熱伝導性と信頼性を両立する手法を紹介する.
岡部 拓人・相京 輝洋・深澤 元晴・塩月 宏幸
長田 憲和・亀田 常治・吉野 正人・市川 長佳
山本 柱・堀 詩織・細川 哲靖・島谷 直志

安井伸太郎

山田 哲也

相見 晃久